キャラメル、甘く
第2章 *未経験
「け、圭太くん!今日は、本当ありがとうね。もう帰ってもらっても大丈夫だから…」
言いながら圭太くんをドアの方へ誘導させる。
私は何を慌ててるんだ?
自分でも訳の分からないまま。
「ほんっっと、ありがとう!じゃっ…」
あとはドアを閉めるだけ。
ようやく気持ちもおさまって手の力が緩…
んだのがいけなかった…。
ドアの隙間から腕を掴まれる。
「……約束は?」
「へっ!?」
「俺が出した条件」
黒の瞳が真っ直ぐに私を見る。
合わせられると逸らせない。
私も渋々目を合わす。