
キャラメル、甘く
第4章 *関係の代償
「…っと。大丈夫ですか?」
傾いた身体を、咄嗟に側にいた彼が支えてくれる。
「あ…
…あっ!すみません!!
勢いつけすぎちゃったのか
私…」
「大丈夫ですよ。
それよりも気を付けてください」
嗜める様に、けれども優しく笑ってくれた事に救われた。
「…ありがとうございます」
(何、だったんだろ…?)
ちょっとした違和感。
改めて辺りを見渡してみるけど、見える景色は至って普通で。
何となく手を握ったり開いたりしてみるけれど、特に問題なく動く。
「立ちくらみかなー…」
梶さんに言われつつも、最近は寝ようとしても、あまり眠れていなかった。
自分なりには、それでも何とかやり過ごしていて、今日も問題なく過ごせてるけど…
(帰ったらちゃんと早く寝よ!)
心にそう決めて、
私は控え室へと歩き出した。
