1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第7章 ――斎藤 梢 編――
しかし切った瞬間、また携帯が鳴り出した。
ピロリロ♪
ピロリロ♪
画面を確認すると、やはり発信者も番号もない。
『ムカつく!!!!!!』
頭にきた梢は、今度は乱暴に話した。
「もしもしっ!! アンタ一体なんなのよっ!!!!」
「…………」
やはり何も話さない。
梢は電話代がかかるのは向こうなので、イタズラ心から、暫く黙っておくことにした。
しばらく沈黙が続いたが、ようやく向こうが何かを話し始めた。
「……やっと見付けたよ……梢ちゃん。今そっちにいくから……ね」
その声は、女とも男ともとれる奇妙な声だった。
「ペト……。ペト……」
電話口であの聞き覚えのある足音がする。
「キャァァァァァァ」
梢は思わず携帯を地面に叩きつけると、その場から逃げるように走り出した。