1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第8章 成功
香織は思わず振り向き、その姿を確認した。
しかし、振り向いた瞬間足音は止み、辺りは静まりかえる。
香織がホッとし、肩の力を抜いたその時……。
ガシッ!!!!
何者かが手首を物凄い力で握ってきた。
力はあるが、体温が全く感じられないほど冷たく、大きさは小さい子供の手のようだった。
『なにっ!? なんなの!?』
香織は戸惑いながらも、その手を振りほどこうと、必死で手を上下に揺らす。
しかし、その小さい手は全く離れようとしない。
「ねぇ、何で逃げるの? お姉ちゃんも一緒にこのボールで遊ぼうよ♪」
腰の辺りから、青白い顔をした男の子が愉快に笑いながら話しかけてくる。
「いやっ! やめてっ! 離して!」
と、香織が大きな声で叫んだ時、今まで後ろ向きで動かなかった生首が、いきなり香織の方を振り向き、悲しい表情で言った。
「香織……どうして……どうしてなの? 私達友達でしょ? ……ねぇ一緒に遊びましょうよ……」