1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第9章 思い出
「えぇっと……今日は皆に悲しいお知らせがあります」
その言葉を聞いた生徒達は、不思議そうな顔をしながら周りの人達とコソコソ話し出す。
いつもならこの時点で、軽く注意をする担任なのだが、今日は淡々と話を続けた。
「うちのクラスの斎藤梢が、昨日の学校の帰宅途中に亡くなった……」
感情を隠しきれなくなった担任は、思わず涙声になり、瞳をハンカチで拭っている。
梢は普段、沙織と千里以外の生徒とは話す事もしなかったし、誰から見ても取っつきにくいオーラを醸し出していたので、はっきり言って、このクラスに梢の死を悲しむ生徒は少ないだろう。
それでも、やはりあまりにも突然過ぎるクラスメイトの死を知った生徒達は、興味津々といった感じで、 担任に次から次へと質問を投げ掛けた。