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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第2章 自殺


 普通の家庭なら、高校生の娘が朝学校に行ったきり、こんな時間になって連絡もせず、まだ帰宅してないなんて事があったら、警察にでも連絡をするなり、友達の家に電話をかけたりするだろう。

 もちろん静江も “もしかしたら誘拐されたのかもしれない……” なんて事が頭をよぎったので、母親に連絡をした。

 しかし、母親の言葉は

「誘拐なんてマスコミに騒がれたら会社のイメージが崩れるわ! 警察には絶対連絡しないでちょうだい!」

 と、冷たいものだった。

 所詮、娘の事より会社のイメージの方が大事なのだ。

 続けて母親は

「まぁ香織も年頃の娘ですもの……夜遊びぐらいするでしょ。親が家にいないことを良いことに、ホント困った子だわ」

 と笑いながら静江に言った。

 自分の事は棚にあげて、いい気なものだ。

 香織は

「ちょっと疲れたからもう寝るね。おやすみなさい、しずさん」

 と静江に言うと、2階の寝室に入った。

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