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【裏小説】イケメン王宮~プリンセスと危険なイケメン達~

第5章 レオ篇

レオが待つ部屋は
レオ自身の執務室だった。

(夜伽なのにどうして執務室なんだろう…)

月花は首を傾げるも
執務室の扉をノックして部屋へと入った。

ソファに座り本を読んでいたレオが
月花に気付く。

「待っていたよ、月花チャン」

手にした本を机に置き眼鏡を外したレオが
優しく笑みを浮かべる。

『レオ……』

「こっちへおいで」

促されるようにレオの前に立つと
手を引かれ横に座らせられた。


(やっぱり…緊張しちゃう……)


月花の胸の音が徐々に大きく響いてくる。

レオと二人きりになるのは
勉強を教わる月花にとって珍しい事ではなかったが今はいつもと状況が違っていた。


(私…今からレオと……)


緊張で身体を強ばらせていると
横からレオが優しい声音で聞いてくる。


「緊張してる?月花チャンのお悩み相談が先だから、楽にして?」


見上げると優しい笑みを浮かべる
いつものレオの姿があった。


『う…ん……』

(でも…私が何を悩んでいるか…言いたくないな……)


曖昧な返事を返すとレオが目を細め
口元にうっすらと笑みを浮かべる。


「当ててあげようか?月花チャンの悩み事」

『え……』

「もしかして、夜伽に“感じる”ようになってしまった?」

『……っ!』


レオの言葉は月花自身が抱えている
“悩み”そのものだった。

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