強制恋愛
第16章 *16*あなたの隣に
『…沙紀、悠希くんと上手くいってる?』
え………
「あの…えっと…は、はい…」
『良かった』
良かった…?
そっか、もう自分に気がないってことに安心してるの?
玲奈さんと幸せになるにはわたし邪魔者だもんね……
櫻木先輩は遊びだったのに
わたしは本気になっちゃったんだもん
頬にあついものが次々と流れる
『えっ、沙紀?』
笑顔だった櫻木先輩の顔が曇る
なんでそんな顔するの……?
わたしが迷惑なら無視すればいいじゃん……
『沙紀』
言い終わるか終わらないかのうちに、わたしは櫻木先輩の腕に抱き寄せられていた