強制恋愛
第19章 *19*無理矢理
「また…遊びなんでしょ…」
櫻木先輩の胸を押して離れようとしても余計に強く抱き締められる
「わたし…悠希がいるし…もう櫻木先輩とは…」
『俺のこと忘れてあいつと一緒になるの?』
その声は驚くほど落ち着いていて…でも顔は見たことがないくらい切ない表情をしていた
「…はい…悠希の笑顔…守らなきゃ…」
櫻木先輩を忘れる?
あなたを忘れたことなんて一度もないよ……
忘れたくても…忘れられるわけないよ……
あんなに大好きだったんだもん
『……それで…沙紀は幸せ…?』
「え……」
『……幸せ?』
わたしは今幸せ…?
悠希が隣にいて優しくわたしに笑いかけてくれる、この生活は幸せ…?
わたしはゆっくり首を縦にふった
『……そっか』
わたしを抱きしめていた櫻木先輩の腕が解かれる