強制恋愛
第20章 *20*動き出す気持ち
生徒達からひときわ大きな歓声が上がり、ふと我に返ってクラスメイトのほうを向くと大はしゃぎしていた
『きゃ〜!すごい!かっこいい〜!』
グラウンドに目を向けるとアンカーの櫻木先輩が走っていた
速すぎるんですけど…
『さっきまで4位だったのにもう2位になっちゃったよ〜!!』
しかもだんだんと1位と2位の差が詰まってきた
周りに聞こえちゃうんじゃないかと思うくらいに心臓が高鳴る
かっこいい……
生徒達からの歓声と大きな拍手に包まれながら櫻木先輩は1位でゴールした
それと同時に櫻木先輩のクラスの人達が駆け寄り、胴上げが始まった
一人一人の嬉しそうな表情がここからでも見える
『すごーい!!沙紀!!すごかったね!!』
「…うん…!」
『彼女なんだから先輩お疲れ様ですって言ってキスとかしないの!?わたし見たい!!』
「ええっ無理だよそんなの」
『減るもんじゃないんだし〜!ほら!行こっ!』
わたしは無理矢理腕を掴まれ櫻木先輩のもとに向かった