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「えぇ？本当ですか？」


愛花ちゃんが私に肩を付けて再びその写真を覗き込んだ。


嫌な予感がした──


光瑠さんがパリに発った日と同じ、


とてつもない不安が襲う…。


「確かに、よく見ると真希様じゃないですね…」



私は写真を持った手を震わせながら、裏を見た。



３年前の６月…



やっぱり、


私じゃない……



「真希様、大丈夫ですか…」


震える私の肩を愛花ちゃんが掴む。



「愛花ちゃん…

誰か…誰か３年前の事を知ってる人は…」


私の問いに、
愛花ちゃんも顔を青くしていた。


やっぱり、
愛花ちゃんも何か嫌な予感を感じ取っているんだ──



「ここの使用人は…
真希様が来る前は皆ご主人様の横暴さに耐えられずすぐに止める人ばかりで…」


愛花ちゃんの声を心なしか震えている。



「古畑さんしか…」



私はその言葉を聞いて、写真を持ったまま書斎を飛び出した。



「真希様っ！」



愛花ちゃんが後ろから追い掛けてくる。



長い廊下が


また歪んでみえた。



ずっと、この廊下が続いたらどうしよう……



一人は、いやなのに…



光瑠さん…


いかないで…