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近くて遠い

第34章 Sweet Night

少し、女慣れしたようなその振る舞いが気になった。

どうしてそんなにカクテルの事を知っているのか聞くと、要さんは接待があるから秘書として知っておかなきゃいけなかったから、と答えたけど、ちょっと怪しい…




要さんがモテるだろうことは火を見るよりも明らか。


どこをどう見ても非のうちどころがないし…


そんなことを思いながら、私はゆっくりとカクテルを口にしていた。





しばらく経って、熱い視線を感じ、ドギマギしながら横を見た。

すると要さんが頬杖をつきながら私を真っ直ぐ見つめていた。



「あっ…
あの…何かついてますか?」



あまりにジッと見られているので私は頬に手を当てた。



「いいえ、
何だか、見えるって本当に素晴らしいことだと──そう思いましてね。」

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