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近くて遠い

第39章 復讐

思いを巡らせば巡らせるほど


恐怖で身体が震えて


呼吸が浅くなる。



そんな私を見て何故か狼狽えた男は


ガサガサと音をたてると何か光るものを私に突き立てた。



「…んん…っ…!!!」




「そっ…そんなに怯えてももうだめだっ…

俺はお前を殺すっ!!!

お前は悪くないがっ…!!
あいつが、あいつがコケにしたからっ!!!」



まるで理解できないどもったその言葉と


暗闇でもあやしく光るナイフに震えていた身体が膠着した。


「苦しんで死ぬ姿をっ…!見せてやるっ…!!!」


言葉や
目の様子から
すぐに彼が普通の状態じゃないのが分かった。



男は、
ナイフを私に向けながら、
不気味なブルーライトの元に寄った。



「ははっ…!

全部見えてるんだ!

お前がここで苦しんでいるのも、
ただただやつは見てるだけだっ!!

何もできないっ……!!

俺と同じだぁっ!」



そう言って男が笑う。



怖いっ…


狂ってるっ…






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