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近くて遠い

第39章 復讐

「んっー!!!」



縛られたまま椅子ごと倒れ、

身体に大きな衝撃が走った。


背後が見えない。


何が起きてるのっ…!!


光瑠さんはっ…!!




鈍い音と、

渡辺が呻く声がする。



私は訳も分からずただ懸命に縄をほどこうと身体を動かした。




「真希さんっ…!」




ふと、

聞き慣れた声がして顔を上げると、弓を持って駆け寄る要さんが目に入った。



「んんっー!」




「今ほどきますからっ!!」



要さんはそう言って

弓を投げ捨て

私の縄を急いでほどいた。






「社長!!
気持ちは分かりますがっ!もうこれ以上はっ!!」



背後から酒田さんの声が聞こえた。



徐々に縄が解放され、身体から力が抜けた。



「真希さんっ……!」




何が起こったのか、


全く分からないまま、要さんが私の身体を強く強く抱き締めた。





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