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近くて遠い

第39章 復讐

気持ちが溢れて

苦しい──




「真希さん……」




要がゆっくり話し始めたのを真希は黙って聞いていた。




愛してる…


愛してる…



あぁ……



でも…





いや………




だからこそ……




要はゆっくり身体を離して



真希の顔を見た。




まだ冷めていない様子の恐怖と動揺を宿した大きな瞳。


要は


優しく微笑んで真希の肩に触れた。



「─────幸せになってください…」



要はそういうと、


優しく微笑んだまま


立ち上がった。



「要さん……?」



柔らかい声音を背後から聞きながら、


要は背を向ける光瑠の元に寄った。



「社長…」




肩に手を乗せられ、光瑠は顔を横に向け要を見つめる。



「これ……」



要はポケットに手を入れると、何かを取り出して、光瑠に渡した。



キラリと光る金色のプレートの上の小さな宝石──



光瑠はそれを受け取ると目を見開いて要を見つめた。


「───今度苦しませたら、



僕は容赦なくあなたから彼女を奪います」




要はそれだけ言って、


その場を去った。


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