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───────…

「お父さんっ…

私もっ…

私からも…お願いしますっ……」



頭を下げながら聞こえた真希の言葉に、光瑠は胸がキュッと締め付けられた。



光瑠に迷いはなかった。




もう真希と離れたくない。


それは苦しめてしまったからという責任からくる気持ちではなくて、

ただただ自分が愛しい真希と共に人生を歩みたい。

幸せになりたい…

幸せにしたい…



その一心で光瑠は

真希の父に頭を下げた。



「……二人とも顔を上げて…」



真希の父が静かに言葉を発して、


若い二人を見た。



揺るぎない二人の視線。



部屋に緊張が走った。



「……本当に、

責任感が強くて

何でも一生懸命な

大事な娘でね……」


真希の父の言葉に光瑠が大きく頷いた。



「そんな真希のために

こんなに懸命に頭を下げてくださって、

本当に父として幸せです…」


ぱぁっと光瑠と真希の顔が明るくなった。



「じゃっ…じゃあ！」



身を乗り出すようにした光瑠に真希の父は頷いた。




「幸せにしてやってください……」



「っ……！

はい…！！！」



光瑠は大きな声で返事をすると、隣にいる真希を見た。



「…………でも、」





父の言葉に二人が固まった。



「でもっ…？」



不安そうに真希が父に聞き返す。


光瑠はゴクリと唾を飲んで黙った。



「有川さん…


真希はね、


しっかりしているから、

僕も時々忘れてしまうのだけれど、

まだ17歳なんですよ…」



真希の父はゆっくりそういいながら優しく愛する娘を見つめた。



「せめて

僕のせいでやめることになってしまった高校くらいには

行かせてやりたい…


結婚は、


そのあとに…

卒業してからにしてやってください。」