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「なんか、桜子綺麗になったなぁー！」



少しだけヒゲを生やした懐かしい顔。


いつも私のことを気にしてくれたボーイの拓也さんを見つけて私は興奮していた。



「拓也さんもっ！相変わらずかっこいいですね！」



私がそういうと、
ありがとう、と言いながら、少し照れた様子でヒゲを掻いていた。



「おいっ！」



「いたっ…！」




楽しく話していると、突然手首を掴まれて私はバランスを崩した。



「有川様っ！！」



拓也さんはびっくりしたように光瑠さんを見た。



「なんですか…突然っ…

痛いじゃないですかっ！」




顔を上げて光瑠さんの方を見ると、収まったと思っていた不機嫌が何故かまた発動していて、私のことをきつく睨んでいた。



本当に…

この人はこんなに怒ってばっかりで疲れないのだろうか…


「もういいだろっ！帰るぞっ！」



グイッと強く引っ張られたのに私は抵抗した。



「ちょっ…まだ拓也さんと話してるのにっ…わぁっ！」



そう言った途端、光瑠さんはすごい形相のまま私に顔を近付けて、チッと舌打ちをしてきた。



「そうやってお前がすぐ色目を使うから、関根も調子に乗るんだろうがっ！！！！」



「はぁ！？」



色目ぇっ！？


「私がいつそんなっ…」



「ずっとだっ！！！」



至近距離で怒鳴られて私はギュッと目を瞑った。



訳が分からない…


ただ拓也さんと話してただけなのに…



「浮気者がっ！」



その言葉にカチンと来た私は負けじと光瑠さんを睨んだ。



「…どっちがっ！」



私が言い返したのにビックリした様子の光瑠さんは私の腕をギュッと握ってさらに私を引き付けた。



「なんだっ、俺がいつ浮気したっ！」



「……さっきたくさんの女の人に囲まれて、満更でもない顔してたじゃないですか！」



少しだけムカついていた私は、それについて言うと、光瑠さんは眉間に皺を寄せた。