
怪談話
第4章 赤いはんてん
次の日は、学校に帰る日だった。クラス順にバスに乗っていく。うっかり屋の担任の先生は…「すみません、トイレに行ってきます!すぐ帰るんで…」
と言って、トイレへと走った。仕方なく、A子たちの組だけ待つことになった。
トイレに入った時、すぐ近くから教頭先生の声が聞こえた。
「赤いはんてん…着ますか?」「えっ教頭先生もトイレですか?」
「……着ますか?」
「あ…そうですね、少し肌寒いので…」
「今…着ますか?」
「はい」
と、言った瞬間…
便器にてんてんと赤い血がたれてきた。先生が上を見上げると、そこには、血まみれの女の人が天井にへばりついていた。
「ひっ…!」
その女の人が落下し、先生の体を引き裂いた。真っ赤な血に染められた先生の体は、まるで赤いはんてんを来ているかのように赤くなっていた。
「先生遅いねー」
何も知らないA子たちは、先生を待ち続けていた。
