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怪談話

第2章 勉強机


「あのお兄ちゃん、昨日亡くなったそうよ」
まだ小学の低学年だったA子は意味が分からなかった。近所のお兄ちゃんが亡くなったことは、どうでも良かったらしい。
「亡くなった人の物は捨ててはいけないって言うから、あのお兄ちゃんが使ってた勉強机、A子が貰いなさいね」
「はーい」
適当に返事をするA子。
死んだ人の物を貰うなんて、ちょっと気味が悪かったけど我慢した。

次の日、あのお兄ちゃんの勉強机がきた。自分の部屋に置かれ、なんだか大人になった気分になったA子だった。

その日の夜、A子はトイレで目が覚めて、トイレへ向かう途中、自分の部屋から妙な音が聞こえた。
『ガタガタガタ…』
(え?何だろう…まぁいいや)気にせずトイレへ向かった。

トイレがすみ、寝室へ戻ろうとすると、またあの音が聞こえてきた。しかも、奇妙な声と一緒に…
(何だろう…何だろう…?)
A子は気になって仕方がなくなった。音をたてないように、そっとドアを開けた。

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