
怪談話
第2章 勉強机
『ガタガタガタ…』
この音は、机が揺れている音だと気付いた。そしてもう一つ、不気味な音がした。いや、音と言うより声がした。ブツブツ言っていて、何を言っているのかはA子には分からなかった。
「ん…?」
勉強机の上に誰かが立っている。そして、その人物は下を向いていた。
「あ…!」
口をおさえた。
「お兄…ちゃん」
そして、次第に声が大きくなっていき、何を言っているのか少し分かるようになった。
「返…せ……机…返せ」
まだブツブツ言っている。A子は怖くなって寝室へ走った。
次の日、A子は勉強机をお兄ちゃんの親に返した。
