
怪談話
第3章 半身
この学校は古いため、高校生等のいたずらが止まない。だから夜中は警備員がまわっている。
ある日の夜中、警備員が懐中電灯を持ってまわっていると、変な音が聞こえてきた。
『ゴツン………ゴン………』
あまり大きな音ではないと思ったので、気にせず二階へ行った。するとまた、あの音が…
『ゴン……ゴン……』
さっきより少し大きな音になり、少し気味が悪くなった。
(早めに終わらせよう…)
早足で三階に行った。
『ゴン…ゴン…』
床に響きわたり、この音がだんだん速くなってることに気付いた。あきらかに足音ではない。警備員は怖くなって急いで四階に行った。
『ゴン…ゴン…』
後ろから迫る音…
怖くて怖くて、ついに振り返ってしまった。それと同時に、音が止まった。次の瞬間…
『ゴンゴンゴンゴン!』
何かがこっちに迫ってくる!
それは…女の子だった。
上半身だけで、ひじで走っている。足音がしないはずだ。
「うわぁぁ!」
警備員は走って逃げた。
次の日、棺の中には上半身も入っていた。
女の子は自分の下半身を探しに、いじめグループがいない夜中に学校へ来ていたらしい。
