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読んでる貴女がいろんなシチュで主人公になって読める短編集。

第3章 恋をしたあの夏

「あのっ、さぁ…。」

ううぅ……。

緊張する……。

ドド~ン

ヒュルヒュルヒュル

私は、1つ深呼吸をして、

言った。

「恵太のことが好き。」

「………。」

ダメ…かな…。

しばらく、私達の間に沈黙が続いた。


先に口を開いたのは、恵太だった。

「気持ちは、嬉しいんだけど…。」

あぁ、やっぱり…。

「ごめんな。答えられねーわ。」

目が熱い。

フラれた。

フラれちゃった。

目から温かい何かが流れる。

涙…。

「う…ヒック…ヒック…」

「本当、ごめん…。」

私はその場で声をあげて泣く。

泣き喚いた。

恵太は、そっと抱き締めてくれた。

「○○とは、友達だけでありたいんだ…。」

私は恵太にとって、それくらいなんだな。

そう思うと、胸が締め付けられるように

痛くなって、

涙を押さえられなかった。

「うぅ…う、うわーんっ!ヒック…エーン…」

恵太は、黙って、そっと抱き締めてくれていた。

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