
私の掏明くん
第24章 終電間際
東矢「川澄さ…!?」
千尋「…」
その時
最終の電車がホームに到着した
この最終電車を逃したら帰れなくなって
しまう
千尋は東矢の方を見ず
電車に乗った
千尋「…」
東矢「川澄さん!?」
千尋「…ッ」
振り向いたらダメ
振り向いたら止められなくなる
千尋は拳を握りしめ電車のドアが閉まる
のを
必死に待った
しばらくするとベルが鳴り
ドアはゆっくり閉まり最終電車は発進し
た
だけど…
千尋「…!!」
だけど突然
後ろから抱きしめられた千尋
電車内に千尋以外のお客さんの姿はなく
まさかと思い振り向くと
そこにいたのは…
千尋「東矢、さ…」
東矢「勝手に…勝手に行くなよ…」
千尋「…どうして」
東矢「…」
千尋「東矢さん?」
東矢「ごめん…千尋…」
千尋「!?」
