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不器用なタッシュ

第5章 『 好き 』?

それから香織とは、会う度に身体を重ねるのが、殆どだった。


世間の恋人が、どうなのかは知らないが、毎日マメにメールや電話をする訳じゃない。


香織は、頻繁にメールをくれたけど、俺は確実に会えそうな時だけだったりしてしまう。


中途半端な言葉を吐きたくなかったんだ。


上っ面じゃなく、香織には確実な事をしたかった。


会う回数が少ない分、会えた時は香織に触れたくて…香織はそうじゃなくても良かったんだと思う。


だけど、触れる度に漏れる声は、俺に向けられてると思ったら、いてもたってもいられなかった。


香織はいつも


「嘉之…大好き…。」


そう言った…。


『好き』は『嫌い』に変わる…俺の中の方程式。




でも…君の『好き』だけは…本当に…信じたかったんだよ。

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