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不器用なタッシュ

第7章 歪

カッチン!


流石にムカつく。


「解るかよ!他人の気持ちなんて!」


安岡の顔が思いっきり不機嫌な顔になる。


「はあぁあぁ!?」 


ガンッ!


飲んでたビールの缶を床に叩きつけ


「だったら、一生独りでいやがれ!帰るっ!」


切れやがった。


でも、安岡がここまで怒ってるのも初めてだった。


「待てよ!もう遅いから泊まればいいだろ!」


安岡はジロリと睨み付け


「まだ終電間に合うし、おまえの構ってちゃんに付き合いたくないわっ!」


「あ?構ってちゃんて何だよ?」


本気で聞いたら


「教えるか!自分で考えろっ!おまえの生きざまそのままだ!」


バッタン!


安岡は本当に帰って行った。


シーン…と静まり返るリビング。


人一人居なくなっただけで、空気が一気に冷えていく気がした。

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