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不器用なタッシュ

第10章 鎖

そんな俺に香織は朦朧とした顔になる。


元々香織は俺に弱いんだ…
このまま一気に押し倒して、身体中に刻み付けてしまえばいい…。


ソファーに香織を押し倒そうと、手に力を入れた瞬間…


「お茶っ!!」


香織が叫んだ。
それもお茶だと?


「お茶っ!?って、何だよ!」


なんなんだよ一体!
少しムカつきながら身体を離す。


「お茶…飲みたくて…喉渇いてるから」


香織は気不味そうに視線を流して、本当だか解らない言い訳をしてきた。


香織なりに必死なのが伝わってくるが…
ここは俺の部屋…


どう考えたって、籠の鳥状態の香織に勝ち目はない。


「あぁ…まっ、時間はまだあるしな…」


慌てなくても大丈夫…
ゆっくりと楽しもう…。


それが小田切へ与える一番の屈辱と…

香織が認めざる得ない…現実…。


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