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不器用なタッシュ

第10章 鎖

いつもの如く感情任せに香織を滅茶苦茶にしそうになる。


でも、そしたら香織は完全に俺の前からいなくなるだろう…


余裕があるかの様に笑を浮かべ、意味深な言葉を投げかけた。


「男でも出来たの?」


「なっ!!」


香織の表情が一瞬固まったが、直ぐに目を細め


「ち、違う…もっと基本的な…こと…」


基本的ってなんだよ?
小田切のせいだろが!
意味分かんねぇし!


歪んだ恋愛しかして来なかった俺には、目に見えたハッキリしたものでしか判断が出来てなかった。


「男以外に…基本的なことってあんの?」


香織はまだ俺が小田切の存在を知っている事を知らない…

少しは勘付いているかもしれないが、自分の口から小田切の事は言えないだろう。


だから、誘導尋問の様に問い詰める。


「分からない…」


「はぁ?」


分からない訳ないだろう!


イラっときて、かおりの肩を軽く噛んでやった。


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