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不器用なタッシュ

第13章 奪回

しつこくて話が分からない小田切に、念押しをする。


「あんた香織に何もしてないみたいだね…。これからはずっと俺が側に居てやれるから、もう相談乗らなくていいよ。今日で最後にしてくんない?」


『納得すると思うか?』


「はぁ?あんた何で香織の側にいるの?」


本当は香織のこと狙ってんだろが!


胸の奥から怒号を吐き出したくなった。


『彼女を守りたいからだ!』


小田切の綺麗事に虫酸が走る。


はぁ~?
何言っちゃてんの?

俺が悪人かよ、泥棒が偉そうに!


「あっそ!まぁもう少ししたら香織そっち行くよ。せいぜい二人で俺の話しでもすれば!」


吐き出すように小田切に言い捨てる。


このまま電話は終わったかのように思わせて――――


「嫌っ!あっ…!」


通話を繋げたまま、香織の唇に強く自分のを重ねた。


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