
不器用なタッシュ
第14章 発動
「出来たの……子供?」
「なっ!」
地雷を踏んだ途端、一気に香織の感情が爆発する。
怒っているのか、泣きたいのか――――。
それは色んな負の感情が混ざり合ったような、俺が今まで見たことがない香織だった。
だけど俺は、この混沌とした情動を知っている。
香織が好きだと言ってくれた『緑の空』だ――――。
溢れ出る香織の感情が俺の中に注入されて、鮮やかな色彩を放っていく。
なぁ香織、やっぱり俺たちは二人で一人だな。
どちらが欠けたら、存在していくことは出来ないんだ。
悦に浸っている間に、香織はますます感情的になって興奮してきた。
「煩いなぁ! 嘉之には関係ない! ほっといてよ!」
さっきまで気を失っていた上に、妊娠しているかもしれないのに、落ち着かせないと身体に触るだろう。
「香織……落ち着いて」
「嫌ぁぁ! 触らないでっ! 私のこと何一つ分かってない癖に!」
自然と発した穏やかな声と、頬に優しく触れたが何もかも気に食わないのか、俺のお気に入りの猫目できつく睨んでくる。
あぁもう――――仕方ねぇな。
今情緒不安定なのもお腹の子が関わっているなら全てが愛おしく思えて、腕の中に香織を優しく包み込んだ。
「香織……大丈夫だよ。不安だったんだろ」
「離して! 自分の事ばっかり!!」
「香織……身体に良くないから」
「ふっ……ひっく……。助けて……」
やっと落ち着いたのか、香織は再び俺の腕の中で眠りに落ちていった――――。
「なっ!」
地雷を踏んだ途端、一気に香織の感情が爆発する。
怒っているのか、泣きたいのか――――。
それは色んな負の感情が混ざり合ったような、俺が今まで見たことがない香織だった。
だけど俺は、この混沌とした情動を知っている。
香織が好きだと言ってくれた『緑の空』だ――――。
溢れ出る香織の感情が俺の中に注入されて、鮮やかな色彩を放っていく。
なぁ香織、やっぱり俺たちは二人で一人だな。
どちらが欠けたら、存在していくことは出来ないんだ。
悦に浸っている間に、香織はますます感情的になって興奮してきた。
「煩いなぁ! 嘉之には関係ない! ほっといてよ!」
さっきまで気を失っていた上に、妊娠しているかもしれないのに、落ち着かせないと身体に触るだろう。
「香織……落ち着いて」
「嫌ぁぁ! 触らないでっ! 私のこと何一つ分かってない癖に!」
自然と発した穏やかな声と、頬に優しく触れたが何もかも気に食わないのか、俺のお気に入りの猫目できつく睨んでくる。
あぁもう――――仕方ねぇな。
今情緒不安定なのもお腹の子が関わっているなら全てが愛おしく思えて、腕の中に香織を優しく包み込んだ。
「香織……大丈夫だよ。不安だったんだろ」
「離して! 自分の事ばっかり!!」
「香織……身体に良くないから」
「ふっ……ひっく……。助けて……」
やっと落ち着いたのか、香織は再び俺の腕の中で眠りに落ちていった――――。
