
不器用なタッシュ
第15章 対決
香織――――出るか?
もし出なかったら、小田切にかけさせればいいか。
そんなことな予測を裏切って、三コール程度で香織は電話にでた。
『もっしもしぃ~!』
「……随分とご機嫌だな」
俺からの電話なのに、やたらテンションが高い。
本来なら喜んでいいことな筈なのに、現実はそう簡単じゃない――――。
『何でしょうか……』
――――ほら、直ぐに怪訝な声に変わりやがったし。
一体誰からの電話だと思って、出たんだよ。
香織の声色に、俺の中の黒いシミが一気に広がり出す。
マグマのようなどろっとしたものが浸食してくる感覚に軽く眩暈を感じながら、香織を誘き寄せる餌を投げ付ける。
「何、その言い方。まぁ~いいや。今、小田切さんと会ってるから」
『はぁ!? 何でよ! 小田切さん巻き込まないでよ!』
どこまでも小田切もことしか考えてないのかよ!
怒り、悲しみ、痛み――――色んなものが入り混じって、噴火する。
「俺たちに突っ込んで来たのは、アイツの方だろ。今後の事も子どもの事も話すから。じゃぁな!」
噴出した感情のまま香織に叩きつけて、通話を切った。
もし出なかったら、小田切にかけさせればいいか。
そんなことな予測を裏切って、三コール程度で香織は電話にでた。
『もっしもしぃ~!』
「……随分とご機嫌だな」
俺からの電話なのに、やたらテンションが高い。
本来なら喜んでいいことな筈なのに、現実はそう簡単じゃない――――。
『何でしょうか……』
――――ほら、直ぐに怪訝な声に変わりやがったし。
一体誰からの電話だと思って、出たんだよ。
香織の声色に、俺の中の黒いシミが一気に広がり出す。
マグマのようなどろっとしたものが浸食してくる感覚に軽く眩暈を感じながら、香織を誘き寄せる餌を投げ付ける。
「何、その言い方。まぁ~いいや。今、小田切さんと会ってるから」
『はぁ!? 何でよ! 小田切さん巻き込まないでよ!』
どこまでも小田切もことしか考えてないのかよ!
怒り、悲しみ、痛み――――色んなものが入り混じって、噴火する。
「俺たちに突っ込んで来たのは、アイツの方だろ。今後の事も子どもの事も話すから。じゃぁな!」
噴出した感情のまま香織に叩きつけて、通話を切った。
