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牡牛座【完】

第1章 1


あまり性能の良くないイヤホンからもれる軽快なリズムの歌に、きみは幼い少女みたいに可愛らしい顔を歪ませた。


「……なんなの、ソレ」

「ごめんね」

「良いの、別に。でももう少し音量下げられない? 読書に集中出来ないんだけど……」

「……はーい」


そう言われ渋々音を14から9に下げる。
私はきみに弱い。

私の目立つ容姿に媚びないところとか、サバサバしてるところとか、そんなきみが私は大好きだ。

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