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君と描き始める未来に

第8章 親善旅行?

結局、一杯だけ女性陣は母さんに付き合って飲まされた。


「ふふ~香織さん優しいわね~!やっぱり娘っていいわね。夏奈子さん、いいお嬢さんを持って羨ましいわぁ~!」


母さんは、我が儘を通せてご機嫌になってる。


「容子さん、香織は猫被ってるだけですよ!志信さんだって、とっても素敵な息子さんじゃないですか~!」


折角、誉めてくれたのに


「息子なんて、可愛いのは小さい時だけですよ~。大きくなったら、とっとと出てってちっとも帰ってこないし、買い物だって一緒に行けやしないし…。」


急にぶちぶち文句を言い始めたよ。


本当に普段の憂さ晴らしか、余り見ない母さんの姿に、少し戸惑ってしまう。


おやじを見ると、苦笑いしているだけだった。


「いいのかよ、おやじ。」


ボソッと、言うと。


「ま…いつも俺の相手だけじゃつまらなかったろうし、久々の旅行だから、少しは多目に見てやってくれ。」


おやじ…。


いつも相手させられてるのは、おやじの方だろうに…。


今更改めて、おやじを尊敬してしまった。

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