
あなたがいてくれたから。
第19章 さよならクロール
でも………
あたしが二階でライトを浴びている間
“孤独”との戦いでしかない。
大袈裟に思えるかもしれない。
でも卒業した前田敦子先輩が言ってたように
上に行くにつれ孤独との戦いは
激しくなるいっぽう。
ついさっきまで円陣を組んで
ライヴを一緒に盛り上げ、楽しんだ
仲間たちは隣にいても今はライバル。
家族が他人になったかのような気分。
とても変な感じ。
それに選抜クラスの発表になると
大体の子が諦める。
自分は今年は入らなかったと。
それでも、
あたしは名前を呼ばれるのを
分かっているから
重圧感と責任感で
押しつぶされそうになる。
これが膨らんで大きく大きくなった
暗闇のことを言葉で表すと
“孤独”っていうの。
