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あなたがいてくれたから。

第19章 さよならクロール



だから、あたしはその孤独に負けないように涙は決して流さない。そうきめている。

それでも、開票は続くあっと言う間に

5位の麻里子様まできた。

あたしの鼓動も早くなる。

W松井が神崩しをしたかぎり
   あたしも上に行かなきゃ!

そう思っていたら
 なんとなくつめたい風が吹いた。

その瞬間あたしはいやな予感がした。



「私…篠田麻里子は……
    AKB48を卒業します……。」



え?麻里ちゃんが卒業?嫌だ。

麻里ちゃんがAKBからいなくなるの?

そんなのイヤ。イヤ。

モニターには珠理奈とたかみな先輩が
 泣き崩れているすがたが映っている。

あたしは、その時不意にも
 孤独に負けそうになった。

誰かにすがりたい。

でも、あたしは今孤独のなか。

誰にも頼っちゃいけない。

あたしが動揺している間も発表は続く。

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