
あなたがいてくれたから。
第19章 さよならクロール
あたしはニコッと笑いスピーチを言う。
「本当にありがとうございます!
今、私の頬を伝っているこの雫は
涙ではなく汗です。努力の固まりです。
涙だとは認めたくない自分が
心のどこかにいることをわかった上で
言っています。」
あたしはまたニコッと笑う。
「この票数は愛ですと言った大島先輩。
私もそう思います。
でもこうも理解できませんか?
この票数は自分たちがかいた、
流した汗の量だと。
私達48G(48グループ)は
日々レッスンの中で
たっくさんの汗を流しています。
その中でもあたしはたくさんの汗を
流してきたと思っています。
レッスンで頑張った頑張りの汗。
ライヴで緊張して出てくる汗。
撮影の時に出てくるプレッシャーの汗。
握手会で力が漲る希望の汗。
ファンの方が私なんかのために
票を入れる時に出た汗。
この汗が集まり私の票になったんだと
思います。」
「オォォォォーーー!!!!」
会場がざわめく。
