
あなたがいてくれたから。
第20章 抱きしめられたら
ピンポーン
ドタドターーーーーー
中から足音が聞こえる。
ガチャーーーーーーーー
「どーぞ」
「お邪魔します♪」
無言で廊下をスタスタ歩く。
いつ来てもやっぱり
ここの家は広いなぁー。
リビングに入ると
いきなり斗真君に抱きつかれた。
「斗真君……。」
なんだろう?凄く安心する。
「悔しかったよな。
辛かったよな。
怖かったよな。
ごめんそんな時に
そばにいてあげられなくて!」
「なんで謝るのよ…。」
あたしはいろんな気持ちが
一気に溢れ出した。
「奈美だって泣いていいんだよ。」
その瞬間に涙が溢れ出した。
「ウワァーン……ヒック…」
斗真君はあたしを見て
ニコッと笑い背中を擦ってくれた。
