
あなたがいてくれたから。
第20章 抱きしめられたら
「奈美、本当は人って
そんなに強くないんだよ。
孤独との戦いにも負けていいんだ。
負けてからさらに強くなって
見返してやればいいだけだろ?
泣いてもいいんだよ。
でも泣くのは俺の前だけにしろ?
仲間たちに
見られたくないんでしょ?」
「うん…。」
あたしはひたすら泣く。
そんなあたしに
斗真君は優しくしてくれた。
すると
「奈美、今日はもう遅いから
うちに泊まっていきな?
きっと、選挙後でパパラッチなんて
いないよ。だから、お風呂で
その止まらない涙も
洗い流してきな全部。」
