
あなたがいてくれたから。
第6章 ジェラシーのアリバイ
「今日の公演も良かったよー!」
「ありがとうございます!
また、きてくださいね~♪」
こんな感じの流れでハイタッチ。
これで、今日の公演は終わり。
楽屋に戻ろうと歩いていたら後ろから
「奈美っ!今日どぅした?」
しぃちゃんこと大家しずかちゃんが
声をかけてきた。
「ん?大丈夫だよー!
最近、忙しくてぼーっとしてただけ。」
「それ、ならいぃけど
無理しないようにね。」
「うん。」
今日のあたしは自分でも分かるくらいに
変だった。
ずーっと、ぼーっと。してた。
絶対にいつも全力の公演でも
ぼーっとしてたし?
待ち時間とかもぼーっとしてた。
誰かに声をかけられても全く気づかないし。
あーっ。
もう、絶対に高橋斗真のせいだ!
