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身代わり妹

第8章 本心

「婦長……あの……少しいいですか?」

そういって私を呼び止めたのは、

美優と一緒に受付をしていた諸田さん。


頷き、2人で婦長室に入る。


「どうかした?」

美優から連絡でもあったのかしら?

……違うわね。

なんだか言いにくいそうにしているもの。


「あの……実は……

昨日美優先輩のお母さんにお金を貸して欲しいと言われて……」


─────…っ⁉︎


美優の母親は今は美姫さんの付き添いで大学病院にいる筈。

どうして諸田さんに⁈



「美優先輩を探すためだとかって、職員専用の出入り口でお金をせびっているみたいで……」


そんな所で⁈

美優のためならとお金を渡してしまった人もいるかもしれない!



「寮の人も、何度かお金をせびられた事があるみたいで……だから…その……」

諸田さんの声がどんどん小さくなる。


大好きな先輩の母親を密告するなんて嫌な気持ちだよね?



「教えてくれてありがとう。私から話してみるわね」



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