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身代わり妹

第11章 疑心

でも……

でももしも、


「もしも…私がお姉ちゃんと同じ病気だったら……

もしも…お姉ちゃんみたいに……っ」


私の言葉に、凌太は顔を上げる。

私のお腹をさすっていた手が、背中へと回された。



「大丈夫。何のために俺が医者になったと思ってんだよ」

不安なんか吹き飛ぶくらい、キツく抱き締めてくれる。


それでも、

それでもね……


「うん…

でももし、赤ちゃんか私かの選択を迫られたら…

躊躇なく赤ちゃんを選んでね」


大切なの。

本当に本当に大切な小さな命。

どうか守って……。



「バーカ。両方助けるに決まってるだろ」

そう言って、凌太は優しくキスをした。



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