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身代わり妹

第17章 【プレゼント】第二章・変化

最初、ここへは俺1人で通っていた。

美優の母親は、”美姫に会いたい、”美姫を育てたい” の一点張りだった。


「美姫じゃない、凛だ!」

何度言っても、美優の母親の中では凛は美姫にしか見えない様子だった。


29年間、美姫に縋り、美姫に付き添う事に自分の生きる意味を見出していたんだろう。

美優の母親は、美姫が死んだ時のまま時間が止まっているようだった。



それでも、美優の母親だから…

美優を産んでくれた人だから…

見捨てる訳にはいかなかった。


過去にどんな想いをさせられていようが、

優しい美優が、

母親を見捨てられる訳がないのだから……。



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