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身代わり妹

第18章 【プレゼント】第三章・聖夜

「美優」

グイッと手を引かれる。

「ちょっと寄り道」


見憶えのある喫茶店。

そして、見憶え…食べ憶えのあるチョコレートパフェが運ばれてきた。



「……覚えてたんだ?」



あれは確か、優太を妊娠中……臨月辺りだったかな?

産婦人科から歩いて帰ったら途中で具合悪くなって、ここに立ち寄った。


明らかに不機嫌な顔で凌太が迎えに来てくれた時、私は呑気にチョコレートパフェを食べてたんだよね……。



「当たり前だろ。で、美優のおごりで俺はコーヒー」

すみません…と、凌太が店員さんに向けて片手を上げる。


「アイスコーヒーね」

真夏のあの日、凌太が頼んだのはアイスコーヒーだった。

眉間に皺を寄せる凌太に、クスクスと笑い出してしまった。



「……外、雪降ってんだけど」

フッと凌太が窓の外へと視線を移す。



クリスマス…雪が降るかな?

そしたら子供達、喜ぶだろうな…。


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