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身代わり妹

第18章 【プレゼント】第三章・聖夜

「私が働いたお金で買ったのよ」

少し自慢げに、母は私を見た。


あのお母さんが⁉︎

お母さんが働いたの⁈


聞き返したいのに、驚き過ぎて声が出ない。



「もう1年以上になるかな? 凌太くんが凛ちゃん連れて、毎週のように早苗さんに会いに来てたのよ」


文子伯母さんの言葉に、私は凌太を見つめた。

照れたように笑う凌太。


「少し前から、突然うちの店で働き出したんだ」

睦月伯父さんが言えば、母がまた口を開いた。


「凌太さんにお説教されたの。でもおかげで気付いた……自分で働いたお金で、孫に何か買ってあげられる喜び……」

母の目にも涙が溜まり、今にも零れ落ちそうだ。


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