
桜田組の組長さん
第1章 桜田組
『みんなぁー!!お嬢がお帰りになったぞー!!』
ザッ
ザザッ
厳つい顔をした男たちが左右に分かれて花道をつくり、頭を下げた。
『『お帰りなさいませ!!組長!!』』
「はぁー」
深いため息を吐きながら私は花道の真ん中を歩く。
「ん?どうしたのお嬢??ため息なんかついちゃって」
顔を傾げて不思議そうに話しかけてくる私の左側にいる茶髪の男、こいつは神威 咲哉(私はいつも《咲》って呼んでる)。女好きでチャラチャラしている伊達男だが、仲間を大切にし、困っている人がいたらすぐに助けてあげるとても優しい奴だ。
「いやぁ〜、いっつもこんな感じで出迎えられると疲れるんだよね。」
「ふーん、そうなんだ。……俺がその疲れを治してやろうか?(ニヤッ」
「咲は治せるの!?この疲れを!!」
「うん。それじゃあ手始めに服を脱い…(ゴツっ)?!…いってぇー!!!!!てめぇ何しやがる!!」
「なにって、こずいただけだけど?…そんなことよりお嬢、変な奴に騙されたらいけないとあれほど言ったでしょう!!」
このガミガミ言ってる私の右側にいる黒縁眼鏡をかけている男は竜宮 和馬(私は《和》って呼んでる)。冷静で頭が良く、咲哉以上にモテている。組を守るためにいつも武道の練習を欠かさずやっている。口うるさいが根はすごくいい奴だ。
「はいはい。わかったからっ…」
「おい和馬!!変な奴ってなんだよ!!それにせっかくお嬢の疲れを治そうと思ってたのに殴りやがって!!」
「はぁ?変な奴は変な奴だ。…お前、お嬢の服脱がして何しようとしてたんだ?」
「だーかーらー!!お嬢の疲れを治そうと…」
「具体的に言えよ。」
「あ″?」
「なんだ?やんのか?」
「上等だゴラァ!!」
はぁ〜。また喧嘩してるよ。
…なんだか疲れた。
