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てるてる坊主

第1章 一

僕は幼い時内気な少年だった。

近所に年の近い子供もあまりいなくて、遊び相手は母だけ。

父は仕事が、忙しくあまり家にはいない。

だから僕の相手もしてくれない。

そんな父を母がどう思っていたか、知るすべはとうになくて。

大人しくて、いつも優しかった母。

僕は母に怒られた記憶はない。

覚えているのは寂しそうな微笑みと暖かい手の温もり。

僕はそんな母が大好きだった。

それは今も変わらない。

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