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てるてる坊主

第1章 一

旅行まで後2日となった日、僕はいつものように学校に行き、いつも通りに帰って来た。

玄関のドアを開け「ただいまー」と声をかける。

いつもなら「お帰り」と母の声が聞こえるのに今日は何も聞こえない。

不思議に思いながら、母を探すが見つからない。

何処かに出かけてるのかなと思いながら、僕は自分の部屋がある二階に向かった。

そしてランドセルを机に置き、外を見たとたんその場に立ち尽くしてしまった。

何故ならそこに巨大なてるてる坊主があったからだ。

僕の家には大きな木があった。

春になればたくさん葉を茂らせ、夏の暑い日には心地良い日陰をつくってくれる。

その木に真っ白なてるてる坊主が吊られていた。

時々風に揺られながら。


僕はその時驚いたけど、何も思わなかった…いや喜んでいた。

そう、巨大な"てるてる坊主"を見て、嬉しくなったのだ。

だから僕はずっとそれを1人で見ていた。


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