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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

「何で…誰も困らなくない?」


「俺は…嫌だ…。」


「な…。」


それ以上…聞いちゃいけない。


「ごめん…私…帰る。」


「詞っ!」


伝票を持って、立ち上がろうとした私の手を透かさず握られた。


「や…放してよ…。」


柴多は、親友!
柴多は、同期仲間!


何でか解らないが、それ以上は望みたくない。


「俺…嫌われてんの?」


また、見たことないくらい泣きそうな表情をされ、浮かした腰を椅子に降ろす。

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