
そして僕等は絡み合う
第2章 宮脇 詞の場合
ドクン…ドクン…。
生々しい唇の感触が、悔しいくらい刻まれてる。
「高橋さんは…詞をどうしたいんだ?」
「知らない…榎田さんに聞いた方が早いかもしれないよ。」
寧ろ私が、知りたいくらいだ!
「仕事はな…プライベートは…どうかな…。」
「えっ…。」
ドクン!ドクン!
「それも本当に解らないから!」
「詞は?詞は…高橋さんに惹かれてない?」
柴多は、今までに見たことない目付きで、まるで射抜く様に見詰めている。
言葉が、詰まる。
「どうして…もし…私が高橋さんに惹かれてるとしたら…どうなの?」
「困る…。」
『困る』?
