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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

翌日から、予想通り柴多を意識してしまう。


「おはよう、詞。」


周りからしたら、いつもと変わらない様な柴多の笑顔…でも、明らかに目付きが違う。


やっぱり、射抜かれる様な目線。


「おはよう…昨日は奢ってくれて有り難う…。」


私も声のトーンが、変わってしまう。


「俺が誘ったんだから気にするな!」


爽やかに笑って、頭に手を載せてくる。


ただのスキンシップじゃない…意味があるんだ。


固まってる私に


「詞…少しは、意識してくれてるの?」


耳元で囁かれる


「あっ…だ、だって…。」


昨日、柴多がそう言ったんじゃん!


「そっか…告って良かった…。やっと意識してくれる様になった。」


柴多はそう言って笑ったけど、今までに見たことない表情に、戸惑うばかりだった。 

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