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そして僕等は絡み合う

第3章 西垣 静湖の場合

人見さんは、マジ顔で私に一歩近付いた。


「う…ウソでしょ?」


一歩後退る…。


「約束、不履行にしますか?元は西垣さんから売った喧嘩ですが…。」


「あっ…いや…。」


怖い…逃げたら何されるか解らない…。


ゴクリ…唾を飲み込み、立ち尽くす。


「わ、解ったわ!キスの一つや二つ受けてたつわよ!」


人見さんは、口端を上げて


「そうですか…では、宜しくお願いします。」


そう言って私の前に、立ちはだかった。


そうよ…別に東っちみたいな生娘な訳じゃないし…チュ~なんて、今時小学生だってするんだから!


でも…どうせなら、高橋さんとしたかったな…。


人見さんはジッと見詰めて、私の髪を耳たぶに掛けて顔を出させた。


ムード作りかよ!


肩に手が掛けられ…顔を傾けて寄せてきた…。


く、くる~!


両目をギュッ瞑って、身体に力が入る……。

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